Sun-1: UNIXコンピュータの新たな始まり

Sun-1: UNIXコンピュータの新たな始まり

Sun-1は、Sun Microsystemsが1982年5月に発売した最初のUNIXベースのコンピュータワークステーションおよびサーバーでした。これらのシステムは、スタンフォード大学で大学院生だったアンディ・ベクトルシャイムが設計したCPUボードを基にしており、DARPAの資金提供を受けて開発されました。Sun-1システムは、UniSoftのUniPlus V7をMotorola 68000マイクロプロセッサに移植したSunOS 0.9を実行し、ウィンドウシステムは提供されていませんでした。初期のSun-1ワークステーションおよびサーバーのケースには、「SUN」という単語をU字型の記号だけで綴った赤い浮き彫りのエンブレムが貼り付けられていました。これは、後に使用されたより馴染みのある紫色のダイヤモンド形のロゴとは異なり、初期のSunロゴです。

Sun-1ワークステーションは1982年5月にSolo Systemsに初めて販売されました。Sun-1/100は、オリジナルのLucasfilm EditDroid非線形編集システムで使用されました。

モデル

• Sun 1/100 デスクトップワークステーション
• Sun 150U ラックマウントサーバー

モデルとシャーシ

• Sun 100: 7スロットのMultibus（デスクトップ）
• Sun 150: 15スロットのMultibus（ラックマウント）

ハードウェア

Sun-1ワークステーションは、アンディ・ベクトルシャイムが設計したスタンフォード大学のSUNワークステーションに基づいていました。この設計の中心には、Multibus CPU、メモリ、およびビデオディスプレイカードがありました。Sun-1ワークステーションで使用されたカードは第二世代の設計で、パフォーマンスの低下なしにメモリを2 MBまで拡張できる専用メモリバスを備えていました。

1982年に導入されたSun 68000ボードは強力なシングルボードコンピュータでした。このボードは、10 MHzのMotorola 68000マイクロプロセッサ、Sunが設計したメモリ管理ユニット（MMU）、256 KBのゼロウェイト状態メモリ、最大32 KBのEPROMメモリ、2つのシリアルポート、16ビットのパラレルポート、およびIntel Multibusインターフェースを単一の12インチ幅（300 mm）、6.75インチ深（171 mm）のMultibusフォームファクターに統合していました。

Motorola 68000プロセッサとSun-1 MMUを緊密に結合することで、Sun 68000 CPUボードはUNIXのようなマルチタスクオペレーティングシステムをサポートすることができました。これには、メモリ保護、コード共有、およびメモリのオンデマンドページングの機能を備えた高度なSun設計のマルチプロセス2レベルMMUが含まれていました。Sun-1 MMUは、Motorola 68451 MMUが68000と常に正しく動作するわけではなく、ページフォールト後にプロセッサ状態を常に復元できないため、必要でした。

CPUボードには256 KBのメモリが含まれており、これは追加のメモリカードで最大2 MBまで拡張できました。メモリカードはMultibusフォームファクターを使用していましたが、すべてのメモリアクセスは電力供給を除いて小さな専用P2バスを介して行われました。これは、メモリの入力/出力転送を同時に行うことを可能にする同期専用メモリバスでした。また、メモリのゼロウェイト状態での完全なパフォーマンスを提供しました。最初の1 MB拡張ボードをインストールする際には、CPUボード上の256 KBのメモリまたは拡張ボード上の最初の256 KBのメモリを無効にする必要がありました。

オンボードI/OにはデュアルシリアルポートUARTと16ビットパラレルポートが含まれていました。シリアルポートはIntel 8274 UARTで実装され、後にNEC D7201C UARTが使用されました。シリアルポートAはデータ通信装置（DCE）ポートとして配線され、完全なモデム制御を持っていました。グラフィックディスプレイがインストールされていない場合は、コンソールポートとしても使用されました。シリアルポートBはデータ端末装置（DTE）ポートとして配線され、モデム制御はありませんでした。これらのシリアルポートは端末ポートとしても使用でき、3人が1台のワークステーションを使用することができましたが、2人はグラフィックディスプレイがありませんでした。16ビットパラレルポートは、グラフィックディスプレイを持つワークステーションに8ビットパラレルポートキーボードと8ビットパラレルポート光学マウスを接続するための特別な目的のポートでした。パラレルポートは一般的なパラレルプリンターポートとしては使用されませんでした。

CPUボードには完全に互換性のあるMultibus（IEEE 796バス）が含まれていました。これは、最大のスループットを維持しながら、さまざまな転送速度のデバイスを収容する非同期バスでした。20本のアドレスラインを持ち、最大1 MBのMultibusメモリと1 MBのI/O位置をアドレス指定できましたが、ほとんどのI/Oデバイスは最初の64 KBのアドレス空間のみをデコードしました。Sun CPUボードは、他のDMAデバイスとMultibusを共有できるマルチマスタ機能を完全にサポートしていました。

キーボードはMicro Switch 103SD30-2、またはドイツ市場向けのKeyTronic P2441を使用していました。メモリマッピングされたビットマップフレームバッファ（グラフィックス）ボードの解像度は1024x1024ピクセルでしたが、モニターには1024x800しか表示されませんでした。グラフィックスボードにはラスタ操作を加速するハードウェアが含まれていました。使用されたビデオディスプレイモニターはBallモデルHD17H 17インチでした。イーサネットボードも提供され、最初は3 Mbit/sのXerox PARCイーサネット規格を実装し、その後3Com 10 Mbit/sバージョンにアップグレードされました。Interphase SMD 2180ディスクコントローラーをインストールして、最大4台のFujitsu 84 MB M2313KまたはCDC 16.7 MB（8.35 MB固定、8.35 MBリムーバブル）9455 Larkドライブを接続することができました。すべてのボードは6スロットまたは7スロットのMultibusカードケージにインストールされていました。

後の文書によると、13インチまたは19インチのカラーディスプレイが提供されました。カラーフレームバッファの解像度は640x512ピクセルで、モニターに表示されるのは640x480でした。このボードは、1600万色のパレットから256色を表示することができました。さらに、½インチ9トラックリール・トゥ・リールテープドライブおよびQIC-02 ¼インチカートリッジテープドライブも提供されました。

また、Sun-1.5 CPUボードと呼ばれる第二世代のSun-1 CPUボードもありました。

Sun-2 Multibus CPUボードにアップグレードされたSun-1システムには、モデル番号にUサフィックスが付きました。